創業期からQuestを牽引するCOO小梶。なぜトップファームを離れ、何を乗り越え、今どこを目指しているのか。彼のキャリアの原点から、組織急拡大のリアル、そして「新たな事業の柱」を担う未来のリーダー像まで、その軌跡と思考に迫ります。
小梶 隆介 (Ryusuke Kokaji)/ COO
京都大学経済学部卒。新卒で富士フイルムに入社し、事業企画、生産/開発戦略立案等に従事。その後、ボストンコンサルティンググループ(BCG)に参画し、テレコムメディアや消費財領域の大手企業を中心に、全社中長期戦略立案、新規事業開発、サービス戦略立案、各種PMO等のコンサルティングを経験し、最終職位はPrincipal。BCGでは、並行して新卒採用のチームリーダーとしても、4年間チームをリード。2021年にQuestに参画。
目次
戦略を「描く」経験を、事業を「創る」力へ。Questで見つけた、新たなキャリアの可能性。
ー まず、小梶COOのキャリアの原点についてお聞かせください。BCGでご活躍される中で、Questへの参画を決意された背景には、どのような想いがあったのでしょうか?
BCGでは8年弱、自分の思考を磨いてお客様に価値提供することに焦点を当て、スキルを鍛錬してきました。ただ、キャリアを重ねるにつれ、自分が本当にコンサルタントとして「独り立ち」している感覚がなくて。結局、BCGブランドの中で仕事をして、失敗しても後ろにパートナーがいるという環境で、自分は何のために仕事をしているのか分からなくなっていました。
そんな時、代表の南が「このQuestという場所で、全社員が本当にやりたいことを突き詰めて、それを形にしていく『箱』を作りたい」と話してくれたんです。その考えに「そうだよな」と強く共感しました。やりたいことを見つける場所として、そしてその「箱」自体を創っていくことをリードできるのが面白そうだと感じ、Questへの参画を決めました。
ー 参画当時、「個人の想いに光をあてる」というミッションを、ご自身はどのように解釈されましたか?
入社当初、後ろ盾のない環境で「あなたは何をしてくれる人なんですか?」とお客様から個人として問われることに、激しいプレッシャーを感じました。ですが、自分の力で掴み取ったどんな小さな案件も、心の底から嬉しかった。「これは自分が本当に売ったんだ」と。その小さな成功体験の積み重ねが、すごく面白かったんです。
これがまさに「個人の想いに光をあてる」ということなのだと思います。受け身で「やりたい」と言うのではなく、責任を伴う形で発信し、アクションを起こして結果を生む。このプロセスそのものを楽しめる環境が、Questの面白さだと解釈しています。
仲間が増える喜びと、組織を背負うヒリヒリ感。そのすべてが「財産」になる。
ー この数年で会社は大きな成長を遂げました。COOとして、どのような手応えを感じていらっしゃいますか?
小さな企業を成長させていくプロセスならではの醍醐味ですね。数人だったオフィスに社員が一人増えるだけで雰囲気が変わった頃から、今では同じ月に何人も入社してくれるフェーズになりました。年末に1年を振り返ると「今年はこんなに良いメンバーが増えたな」と、組織の変化と成長を毎年楽しんでいます。
同時に、今いるメンバーが生き生きと働ける環境を作る責任があるんだな、というヒリヒリ感も常に感じています。その緊張感もまた楽しい。一つ一つの出来事が自分の人生に思い出として刻まれていく感覚は、いわゆるサラリーマンではなかなか味わえない、自分にとっての財産になっていると感じます。
ー 逆に、組織が急成長する中で、乗り越えるべき課題や難しさに直面したご経験があればお聞かせください。
2つあります。1つ目は、ミッションの徹底です。「個人の想いに光をあてる」を「わがままが許される」と自己都合的に解釈する人が増え、組織が立ち行かなくなりかけた時期がありました。改めて、責任を果たして結果を出すことまで含めた概念だと、僕らの中で解像度を上げてカルチャーを徹底する必要がありました。
2つ目は、自分自身の課題ですが、人に任せることがなかなかできなかったことです。不安で全ての案件に口出ししたくなりましたが、それでは組織は成長しない。自分とやり方が違ってもいいと許容し、メンバーに権限を渡してチャレンジできる環境にしていくのには、結構時間がかかりました。
コンサルタントが「考えること」に集中できる環境。個の“熱中”を、事業の力に変える仕組み。
ー COOとして今後、どのような理念のもとで事業を成長させていきたいですか?
個人の想いを大切にすることが前提なので、事業の方向性も自由度が高いです。これからジョインする方には、自分が得意な領域や想いを込められる領域を自由にやっていただきたい。その領域に熱中し、お客様と「同じ船に乗っている」と感じていただけるような、人対人の真剣な向き合い方を大切にする。そうすれば、自然とお客様から指名が入るようになると信じています。
ー その中で、Quest独自の価値をどのように発揮していくべきだとお考えでしょうか?
想いとスキルを持ったコンサルタントがフロントに立つことに加え、それを支える独自の仕組みが強みです。グループ会社による高速なリサーチ基盤、生成AIプロダクト、効率化されたオペレーション組織。これらが一体となり、仮説検証のサイクルを他社が追随できない速度で回す。
また、優秀なインターン生がリサーチや資料作成などをサポートしてくれるため、コンサルタントはより付加価値の高い「考える」仕事に集中できます。この仕組み全体が、リーズナブルながら高品質なサービスを可能にし、Quest独自の価値を発揮する源泉となっています。
仮説と検証の高速サイクルが生む、「新規事業の創出」と「既存事業の再生」
ー 現在Questが手掛けているプロジェクトについて、具体的な事例をいくつかご紹介いただけますか?
非常に多いのが、新規事業の戦略立案支援です。お客様の柔らかいアイデアに対し、我々が仮説とリサーチによる検証を高速で回し、短期間で事業の骨子をまとめ上げます。ターゲットは誰か、ビジネスモデルはどうするか、そして「なぜこの会社がやるべきか」という問いにまで踏み込み、経営層が意思決定できる状態まで仕立てます。
もう一つは、既存ビジネスの成長支援です。市場の変化に戦略をアップデートしきれていないお客様に対し、マーケットを深く理解し、新たな顧客層の特定や具体的なアプローチを提示します。どちらも、Questの強みである高速の仮説検証プロセスが活きている領域です。
ー その中で、Quest独自の価値をどのように発揮していくべきだとお考えでしょうか?
想いとスキルを持ったコンサルタントが、ちゃんとフロントパーソンとしてお客様にデリバリーするという強みがまずあります。
その上で、リサーチの効率化や生成AIプロダクト、オペレーションエクセレンスを磨いた組織といった、コンサルティングサービスを高速化、効率化、低コスト化するための仕組みが強みです。仮説検証の速度は他社に負けませんし、価格帯も非常にリーズナブルに提供できる体制になっています。また、優秀なインターン生がジュニアの仕事を代替してくれるため、コンサルタントは考える仕事に集中できます。
そこにあるのは「熱中」の連鎖。全員の“納得感”を大切にするカルチャー
ー 現在のコンサルティング事業部の雰囲気はいかがですか?
自然発生的に「ワークハード、プレイハード」な文化が生まれてきているのが、すごくいいなと思っています。ここで言うハードとは、ただ忙しいのではなく「熱中する」という意味です。お客様への価値提供のために、個人が日中考え抜き、チームとしても一丸となっている。困っている人がいたら、誰かが頑張っていたら、それを自分事として自発的に助け合う。そんな雰囲気ができています。
ー 「想い」を尊重する風土と、高い品質をデリバーする「仕組み」は、どのように両立させていますか?
まず、メンバーが不幸になるような案件は、お金になってもお断りしています。案件のリード情報は全員に公開し、誰がやるべきかをチームで相談する。全員がある程度納得感を持ってプロジェクトを始められることが、熱中と助け合いに繋がっています。
また、先述の通り、リサーチやインターン生のサポートがあるため、コンサルタントは作業に追われることなく、考える仕事に集中できます。これが、高い品質を担保しつつ、ナレッジを共有する文化の土台になっています。
自分の手で事業を創る“航海”の醍醐味。ポジティブな熱量で成長したい方へ。
ー 今後Questにジョインしてくれる方々にはどのようなことを期待されているのでしょうか。
明確に求めたいのはリーダーシップです。自分がコミットする領域で案件を作り、メンバーや仕組みを使いながらチームを熱中させ、お客様に価値を届ける。さらには、自分が一緒に働きたいと思える人を、自分で採用していただける。そんな、事業のオーナーシップを期待しています。
もちろん、不安はあると思います。私自身もそうでした。Questでは、いきなり成果を求めることはなく、熱中する気持ちを何より大切にします。周りが手を差し伸べるカルチャーですし、私の案件から入って徐々に慣れていく、というソフトランディングの仕方も用意しています。
ー 改めて、Questの次のステージを創っていきたいと考える方へ、メッセージをお願いいたします。
この戦略コンサルという仕事を、僕は心から信じています。答えを導き出した瞬間に味わえるエクスタシーは、この仕事でしか得られない特別なものです。
Questでは、熱中するポイントは多様であっていい。ただ、「何かに熱中したい」という強い想いを持っている人には、ぜひ一度メンバーと話してみてほしいです。小さな組織が大きくなる過程は、人間模様も含めて本当に面白い。Questという船を自分で操縦し、新たな事業という目的地へ、共に前進させていく感覚を楽しみたい人に、ぜひ仲間になっていただきたいです。
「やらされ仕事」ではなく、「もっとこうしたい」というポジティブな感情の中で成長することに、ぜひチャレンジしてほしい。熱中できるあなたと、この船の航海を共にできることを心から願っています。